まず結論から

身に覚えのない請求があったら、慌てずに以下の順番で確認してください。

  • ①本当に不正利用か(家族・サブスク・店舗名違いではないか)を確認
  • ②不正利用だと確定したらカード会社に即連絡
  • ③カード停止とチャージバック申請
  • ④補償期間内(アメックスは60日前まで)に手続きする

その請求、本当に不正利用ですか?――まず確認すべき4つ

三井住友カード、JCB、アメリカン・エキスプレス、楽天カード、エポスカード、au PAYカードなど、複数のカード会社が共通して注意喚起しているのは、『不正利用と勘違いしやすいケース』の存在です。

確認①:家族カードの利用ではないか

家族カード(ファミリーカード)を発行している場合、家族が利用した分も本会員の明細に記載されます。配偶者、子ども、親のカード利用を確認してから『不正利用』と判断してください。

確認②:利用日と請求日のズレではないか

明細に記載される日付は、実際にカードを使った日ではなく、店舗がカード会社に請求処理をした日です。店舗によって処理に数日〜数週間かかることがあります。

  • ホテル宿泊予約:予約時ではなく宿泊日に請求されることがある(逆もある)
  • コンサートチケット:申込日ではなく抽選確定日に請求
  • インターネット通販:購入日ではなく商品発送日
  • 公共料金:利用月から1〜2ヶ月遅れて請求

確認③:店舗名と運営会社名が違うケース

明細に記載される名前は、レシートの店舗名と異なることが多いです。テナント店舗ではショッピングモール名、個人経営店では運営会社名(株式会社など)、決済代行会社の名前が記載されることがあります。

  • ショッピングモール内のテナントで買い物→モール名で請求
  • スーパー・ガソリンスタンド→運営親会社の名前で請求
  • Eコマースサイト→商品販売元ではなくプラットフォーム名で請求
  • 『0570』『03』などの番号が含まれている→決済代行会社の電話番号

確認④:サブスクの自動継続ではないか

一度登録したサービス(動画配信、音楽配信、電子書籍、ジム会費、クラウドストレージなど)が自動継続している可能性があります。『無料体験』や『お試し期間無料』と銘打ったサービスの多くは、体験期間終了後に自動で有料契約に切り替わります。

4つの確認を終えても覚えがない――本当の不正利用です

家族の利用ではない、日付のズレでもない、店舗名違いでもない、サブスクでもない。この場合、カード情報が漏えいしている可能性が高いです。

カード情報が漏れる原因

三井住友カードが挙げる、不正利用の主な原因6パターンです。

  • フィッシング詐欺:偽サイトで番号を入力してしまった
  • スパイウェア感染:端末がマルウェアに感染していた
  • なりすまし:申込書類の郵送中などで情報が盗まれた
  • 情報漏えい(事業者側):ECサイトなどの事業者から流出
  • クレジットカードの盗難・紛失
  • カード情報の偽造

2025年は番号盗用が全体の93%を占め、ECサイトの情報漏えいやフィッシングによる被害が主流です。

対処の手順

ステップ1:カード会社に即連絡

明細の問い合わせ窓口、または公式アプリ・Webから連絡します。アメリカン・エキスプレスは電話連絡日から60日前までが補償対象。それ以前の請求は補償対象外になる可能性があります。連絡はとにかく早く。

ステップ2:カードを利用停止

楽天カードは楽天e-NAVIから24時間いつでも停止可能。三井住友カードはVpassアプリ、JCBはMyJCBから停止できます。深夜でも夜中でも、明細に気づいた瞬間に止められます。

ステップ3:チャージバック申請

不正利用と認められた分は、カード会社に対してチャージバック(請求の取り消し)を申請します。審査期間は1〜2週間、返金は相殺または引き落とし口座への振込です。

ステップ4:警察に被害届を出す

カードの盗難・紛失が原因の場合は、警察への被害届が必要です。番号盗用の場合も、被害届があると補償手続きがスムーズになるケースがあります。

ステップ5:同じパスワードを使っている他サービスも対処

カード情報漏えいの原因がECサイトの情報漏えいだった場合、そのサイトのパスワードを変更してください。使い回していたら、その他全サイトのパスワードも変更。メールアドレスの漏えい履歴も確認してください。

再発防止のためにすべきこと

  • 利用通知メール・アプリ通知を有効にする(リアルタイムで気づける)
  • 3Dセキュア(EMV 3-Dセキュア)を設定する(2025年3月にEC義務化)
  • 怪しいメール・SMSのリンクを開かない、公式アプリから操作する
  • 公共Wi-Fiでカード番号を入力しない
  • パスワードを使い回さない
  • 不要になったECサイトのアカウントは削除する

家族や親のカード明細も確認してあげて

親世代は紙の明細書を見ないまま放置するケースがあります。次に実家に帰ったとき、明細を一緒に確認してあげてください。身に覚えのない請求があれば、この記事の手順で一緒に対処してあげましょう。

まず確認すべきこと

自分のメールアドレスが過去の漏えい事件に含まれていないかも確認してください。含まれていた場合、そのメールアドレスで登録したECサイトからカード情報が流出した可能性があります。

Web検診のプライバシー診断では、メールアドレスの漏えいチェック、デジタルフットプリントの確認を無料で行えます。

出典

日本クレジット協会『クレジットカード不正利用被害の発生状況』: https://www.j-credit.or.jp/information/statistics/index.html

日本経済新聞『クレジットカード不正利用、3年連続500億円超 フィッシング猛威』(2026年3月9日): https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD091CP0Z00C26A3000000/

三井住友カード『クレジットカードが不正利用される原因と手口』: https://www.smbc-card.com/nyukai/magazine/knowledge/abuse.jsp

JCB『クレジットカードが不正利用される原因と手口』: https://www.jcb.co.jp/ordercard/special/secure_card.html

アメリカン・エキスプレス『支払いは必要?クレジットカードを不正利用されたときの対処法』: https://www.americanexpress.com/ja-jp/benefits/good-news/life/fraud/

楽天カード『ご利用覚えのない請求に関して』: https://www.rakuten-card.co.jp/security/no-usage-bill/